ビタミンDとは?ビタミンDの働きや多く含む食品について解説!

ビタミンDとは?ビタミンDの働きや多く含む食品について解説!

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨や歯の健康を維持する重要な栄養素といわれています。日光を浴びることで体内生成されるほか、魚やきのこ類などの食品からも摂取できるのが特徴です。
この記事では、ビタミンDの働きやビタミンDを含む食品、効果的な摂取方法についてご紹介します。

 

ビタミンDとは?ビタミンDの働きについて


ビタミンDとは、食品などに含まれる脂溶性ビタミンの1種で、カルシウムの吸収を助ける働きがある栄養素です。

また、細胞増殖や神経筋機能、免疫機能、グルコース代謝などのプロセスを調節するといわれており、ホルモンのような働きをするビタミンでもあります。


ビタミンDはカルシウムの吸収を助けることから、健康な骨を維持するのに欠かせません。

骨粗鬆症予防に役立つとされ、重要視されているビタミンです。

 


なお、ビタミンDを接種することで乳がんの発症リスク減少 、アレルギー性鼻炎の症状改善 、脳梗塞の死亡リスク減少 、高血圧の発症リスク減少 、糖尿病発症率の減少 などの効果につながることが研究で報告されています。


参考文献:厚生労働省「ビタミンD(海外の情報)一般向け」 

 

 

 

 

ビタミンDが不足するとどうなる?


 
体をつくるにあたり、人間にはさまざまな栄養素が必要です。ビタミンDもその1つで、ビタミンDが不足すると体にさまざまな影響を与えるといわれています。

東京慈恵会医科大学の論文では、日本人国民の98%がビタミンD不足といわれています 。

 

ビタミンDが不足することで、筋肉や骨が弱くなるなどのリスクが挙げられます。

骨が弱くなると、骨粗鬆症になり骨折しやすくなるおそれがあります。

また、石灰化障害(子どもであればくる病、成人であれば骨軟化症)の原因もビタミンDの不足から起こるといわれています。

 

参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)脂溶性ビタミン-ビタミンD」東京慈恵会医科大学 報道発表資料 

 

 

日に当たる機会が少ない場合は積極的なビタミンD摂取が重要


ビタミンDは、食べ物からの摂取だけではなく、日に当たると体内で生成される特徴があります。
直接日に当たることはビタミンD生成のために大切なことではありますが、日の当たりすぎは肌の老化や皮膚がんのリスクを上げる可能性もあるため、日焼け対策が推奨されています。

紫外線が増える季節には日焼け止めを塗っているという方も多いでしょう。

とはいえ、ビタミンDは体内で必要なビタミンです。

日々積極的に日焼け対策をしている方や、外にでて日に当たる機会の少ない高齢者の場合、また紫外線量の少ない冬には、食品からのビタミンD摂取を心がけることが重要です。

 

 

 

1日に必要なビタミンDの目安量

ビタミンDは体の健康を守るために必要な栄養素の1つですが、どのくらい必要になるのでしょうか。

1日に必要なビタミンDの目安量を見ていきましょう。

 

1日に必要なビタミンDは9.0μgが目安


成人(18歳以上)であれば、男女ともに1日あたり9.0μgが目安とされています。これは、日照時間を考慮に入れている数値です。
個人差はありますが、日に当たる機会が少ない方はビタミンDが不足する可能性があるため、注意が必要です。

 

 

ビタミンDのとりすぎに注意する


1日に必要なビタミンDは9.0μgが目安とされていますが、耐容上限量といって健康障害のリスクがないと見られる摂取量の上限が設けられています。

摂取量の上限は1日あたり100μgですが、食事や日光量による個人差があります。
特に紫外線対策が一般的となっている現代では、直射日光に当たることがあまりない方も多いでしょう。

 

個人差はありますが、ビタミンDサプリメントだけでビタミンDを充足させようとすると、70μg~100μgのビタミンDが必要となることもあります。

大量のビタミンDを摂取すると、健康障害を引き起こす可能性があるため適度な量に調整しましょう。

 

サプリメントだけで充足させるのではなく、食事からの摂取を心がけ、日光量も考慮して摂取量を調整するのがおすすめです。

 

参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)脂溶性ビタミン-ビタミンD」 

 

 

 

ビタミンDを多く含む食品とは


ビタミンDを積極的に摂取するには、ビタミンDを多く含む食品をとることが重要です。

 

 

サケ


サケ(白鮭/生)には、一切れ(80g)あたり25.6μgのビタミンDが含まれています。

一切れ食事にとり入れるだけで、1日に推奨されている量を超えるビタミンDを摂取できます。

 

サケはビタミンDだけではなく、必須アミノ酸やビタミンB6といった栄養素も多く含まれています。

塩焼きはもちろん、野菜と味噌で作るちゃんちゃん焼きやムニエルといった料理にするのもおすすめです。
一般的に食べられているのは白鮭ですが、紅鮭や銀鮭にもビタミンDが多く含まれています。

 

 

サンマ


サンマ(皮つき/生)にも、100gあたり16μgのビタミンDが含まれています。

また、健康維持に役立つとされる必須脂肪酸のうちDHAやEPAも含まれます。他にも、たんぱく質やビタミンA、カルシウムなど栄養が豊富です。

塩焼きはもちろん、刺身やパン粉焼きなど、さまざまな料理で楽しめます。

 

 

 

マイワシ(丸干し)


丸干しのマイワシもビタミンDを多く摂取でき、100gあたり50μg含まれています。

また、カルシウムも440mg含有しています。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けることから、カルシウムを効率よく摂取できる食品といえます。

 

 

 

しらす干し


半乾燥品のしらす干しは10gあたり6.1μgのビタミンDが含まれています。

カルシウムも52mg含まれているため、マイワシと同様にカルシウムを効率よく摂取できます。

パスタに入れたり、おひたしに入れたりすると食事にとり入れやすいでしょう。


 

鶏卵(卵黄)


鶏卵は、卵黄のみにビタミンDが含まれています。

その量は、鶏卵1個(55g/生)あたり2.1μgです。

 

鶏卵はビタミンDだけではなく、たんぱく質や、脂質・たんぱく質の代謝を助けるビタミンB2やビタミンB12といった栄養素も豊富です。

卵焼きやオムライス、すまし汁に入れるなど、さまざまな料理で活用できます。


 

きのこ類

きのこ類にも、多くのビタミンDが含まれています。

特に、日を浴びた乾燥きのこの含有量が多い特徴があります。

 

・乾燥しいたけ(乾燥)10gあたり1.7μg
・きくらげ(乾燥)10gあたり8.5μg
・まいたけ(生)50g(約1パック)あたり2.5μg

 

きのこ類には食物繊維も多く含まれており、腸の働きを助ける効果に期待できます。

同じくビタミンDが豊富なサケと一緒に、蒸し焼きにしたり炒め物にしたりするのも良いのではないでしょうか。

 

 

ご紹介したビタミンDを多く含む食品は、野菜や炭水化物とうまく組み合わせて摂取しましょう。

さまざまな栄養素を摂取でき、健康的な生活に役立ちます。

 

 

 

ビタミンDを効率よくとるには

ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、油に溶けやすく水には溶けにくい性質があります。

そのため、脂質と一緒にとることで、吸収されやすくなるといわれています。

油で炒めたり揚げたりすることで、効率よく摂取しやすくなります。


また、カルシウムの吸収に関わるビタミンのため、カルシウムと一緒に摂取すると良いでしょう。


日光浴や食事での摂取が難しい場合は、サプリメントなどの補助食品と組み合わせて調整して摂取するのもおすすめです。

 

 

 

まとめ


ビタミンDは、健康を維持するために欠かせないビタミンの1つです。

特に強い骨をつくるサポートをしてくれることから、骨粗鬆症の予防に役立ちます。

さらには骨粗鬆症だけでなく、癌や高血圧、糖尿病など様々な病の予防にも役立ちます。

ビタミンDを充足させれば、日本人はより健康になれます。

 

日焼け対策をしている方や高齢の方は、食事から積極的な摂取を心がけると良いでしょう。

魚類や卵黄、きのこ類を食事にとり入れてみてください。

 


監修:松永 敦

大北メディカルクリニック 院長

 

昭和62年関西医科大学卒業。

大阪大学耳鼻咽喉科にて研修後、東京大学音声言語医学研究施設にて文部教官として喉頭生理学を研究。

その後、大阪大学に戻り音声機能外科を臨床面で進める。

 

36歳で癌を再発したが、自身で考えたサプリメントなどを用いた食事療法により寛解。

 

現在は大北メディカルクリニック院長として音声を中心とした地域医療に従事。国内外の患者は60万人超え。