日焼け止めがビタミンD不足の原因に?対策と注意点を解説【医師監修】

日焼け止めがビタミンD不足の原因に?対策と注意点を解説【医師監修】

 

毎日きちんと日焼け止めを塗っている。
外出時は日傘も欠かさない。
紫外線対策はバッチリのはず…。

 

でも実は、その丁寧な紫外線対策がビタミンD不足を招いているかもしれません。

 

もちろん、日焼け止めは肌を守るために大切なものです。
ただ、紫外線対策と栄養補給を上手に組み合わせることで、美肌と健康はどちらも諦めずに両立できます。

 

このコラムでは、紫外線とビタミンDの深い関係、日焼け止めとの上手な付き合い方、そして不足を補う方法をデータをもとに解説します。

 

 

(前回のコラム「ビタミンDの働きや多く含む食品について解説!【医師監修】」の続編です。まだお読みでない方も、このコラム単独でお読みいただけます。)

 

 


01|実は98%の日本人がビタミンD不足

 

まず初めに、少し驚く数字からお伝えします。

 

📊 研究データ

東京慈恵会医科大学の研究(2023年)では、東京都内で健康診断を受けた5,518人を対象に調査した結果、98%がビタミンD不足または欠乏状態であることが明らかになりました。

正常値(血中30ng/mL以上)だったのは、わずか2%。
残りの19%が不足、79%が欠乏という結果でした。

 

これは東京都民を対象にした調査ですが、研究グループは現代の日本人全体に当てはまる可能性が高いと指摘しています。

 

では、なぜこれほど多くの人がビタミンD不足になっているのでしょうか。
実は現代の生活習慣そのものが原因になっています。

 

🔍 ビタミンD不足が増えている主な理由

🔸 日焼け止めの習慣化・UVカット素材の衣類や日傘の普及

🔸 デスクワーク・在宅勤務増加による屋内滞在時間の増加

🔸 食生活の欧米化による魚(鮭・いわし・さばなど)の摂取量減少

🔸 窓ガラスがUV-Bをほぼ遮断するため室内での日光浴は効果なし

🔸 加齢による皮膚でのビタミンD合成能力の低下(60代は30代の約1/3)

 

このリストを見ると、思い当たることがある方も多いのではないでしょうか。
特に日焼け止めについては、次のセクションで詳しくお伝えします。

 

 


02|日焼け止めがビタミンD不足を招く?その仕組みを解説

ビタミンD不足の大きな原因のひとつとして、現代の日焼け止め習慣が挙げられます。
なぜ日焼け止めがビタミンDに影響するのか、まずその仕組みから説明します。

 

そもそも、紫外線を浴びるとなぜビタミンDが作られる?

 

ビタミンDは食事からも摂れますが、実は体内での最大の供給源は皮膚での合成です。
太陽光に含まれるUV-B(紫外線の一種)が皮膚に当たると、皮膚の細胞がビタミンD3を合成します。

 

そして日焼け止めのSPFは、まさにこのUV-Bを防ぐ指標です。
つまり日焼け止めを塗るほど、ビタミンDの合成も妨げられることになります。

 

環境省の発表によると、SPF30の日焼け止めを使用した場合、ビタミンDの合成量は5%以下に低下します。

またSPF15程度でもUV-Bを95%以上カットするため、ビタミンD合成がほぼ止まるとされています。

出典:環境省(紫外線環境保健マニュアル2020

 

ただし、日焼け止め=必ずビタミンD不足とは言い切れない

 

実際の生活では日焼け止めの塗りムラや塗り直し不足があるため、理論値ほど完全にUV-Bがブロックされているわけではありません。
また屋外滞在時間や服装・食事内容など、個人差による影響も大きいです。

 

ただし、高SPFの日焼け止めを毎日しっかり塗り続ける習慣がある方は、ビタミンD合成量が大幅に減少するリスクが高まることは確かです。
特に屋内勤務・魚をあまり食べない・加齢による合成能力の低下が重なっている場合は、より注意が必要です。

 

☀️ 日光浴でビタミンDを合成するために必要な時間の目安

東京・夏(7月):正午前後なら約1〜18分

東京・冬(12月):正午前後でも約6〜70分以上

札幌・冬(12月):最低でも12分〜2時間以上(冬季はほぼ不可能)

 

冬の北海道など高緯度地域では、日光浴だけでは十分なビタミンDを合成できない時期があります。
日光浴で補いきれない分を、食事やサプリで補うことが重要になってくるのです。

 

 


03|ビタミンDが不足すると体に何が起きる?

ビタミンDが不足していると言われても、実感しにくい方も多いかもしれません。
ですが、ビタミンDは骨の栄養素というイメージにとどまらず、体全体に関わる重要な栄養素です。
不足すると、思いがけないところで影響が出てきます。

 

🦴 骨・筋肉への影響

ビタミンD不足の代表的な症状のひとつが、骨密度の低下です。
カルシウムの腸管吸収を助ける働きがあり、不足すると骨がもろくなり骨粗しょう症のリスクが高まります。

特に40〜50代以降の女性は、閉経によるエストロゲン低下とビタミンD不足が重なりやすく、骨粗しょう症になりやすい時期です。

また筋力低下・疲れやすさ・関節の痛みなども、ビタミンD不足の症状として報告されています。

🛡️ 免疫への影響

ビタミンDは免疫細胞を活性化する働きを持ちます。
不足すると風邪をひきやすくなるだけでなく、感染症・自己免疫疾患・心血管疾患との関連も指摘されています。

女性に多い花粉症や甲状腺疾患などの免疫トラブルとの関係も研究が進んでいます。

🧠 メンタルへの影響

ビタミンDはセロトニン(幸せホルモン)の合成にも関わっており、不足すると気分の落ち込みや意欲低下につながる可能性があります。

なんとなく気分が上がらないという方は、ビタミンD不足が一因になっているかもしれません。

📊 注目のデータ

東京慈恵会医科大学が参加した国際共同研究(10万人のデータをメタ解析)では、ビタミンDサプリメントの継続摂取によってがん死亡率が12%減少していたことが明らかになりました。

 

これだけ広範囲に影響があるにもかかわらず、多くの人が不足したまま気づかずにいます。
では、実際にどうやって補えばいいのでしょうか。

 

 


04|正しい補い方:日光浴・食事・サプリの組み合わせ

ビタミンDを補うためだけに日焼け止めをやめる必要はありません。

 

紫外線は皮膚の細胞のDNAにダメージを与え、長年にわたり繰り返し浴び続けることでシミ・シワ(光老化)や皮膚がんのリスクが高まることが知られています。
紫外線によるダメージは蓄積されるため、若いうちからの対策が将来の肌と健康を守ることにつながります。

 

大切なのは、日焼け止めによる紫外線対策を続けながら、日光浴・食事・サプリを賢く組み合わせてビタミンDを意識的に補う習慣を作ることです。

 

💡 紫外線対策とビタミンDを両立するポイント

✅ 短時間の素肌日光浴を取り入れる

夏であれば1日5〜15分、手や腕など一部分だけ日焼け止めを塗らない時間を作るだけでも合成が期待できます。
日光浴後は日焼け止めを塗り直せば、肌ケアとの両立も可能です。

✅ ビタミンDを含む食品を意識する

鮭・いわし・さば・きくらげ・卵黄などにビタミンDが多く含まれます。
ただし食事だけで必要量を毎日補うのは難しく、週に数回意識する程度では十分でないこともあります。

✅ サプリメントで手軽に補給する

日光浴も食事でも補いにくい場合、サプリメントは毎日継続しやすい補給方法のひとつです。
特に冬季・屋内勤務・毎日日焼け止めを使う方・40代以降の女性は、取り入れてみる価値があります。

 

 


まとめ

 

  • 日本人の98%がビタミンD不足。現代の生活習慣が最大の原因。(東京慈恵会医科大学・2023年)
  • SPF30の日焼け止めでビタミンD合成が5%以下に。日焼け対策と栄養補給の両立が必要。(環境省)
  • ビタミンD不足は骨・免疫・メンタルなど体全体に影響が出る。
  • 短時間の日光浴+食事の工夫、それでも不足する分はサプリメントで補うのが現実的。

 

📄 参考・出典

1. 越智小枝ほか、東京慈恵会医科大学(The Journal of Nutrition, Vol.153, Issue 4, 2023
2. 東京慈恵会医科大学ほか国際共同研究(Ageing Research Reviews, Vol.87, 2023
3. 環境省(紫外線環境保健マニュアル2020
4. 国立環境研究所(体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
5. VITAL試験(Hahn J, et al. BMJ. 2022;376:e066452
6. 日本内分泌学会(閉経後骨粗しょう症

 

 


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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品・製品の効果・効能を示すものではありません。

【薬機法に関するご注意】本コラムに記載のサプリメントはすべて「食品(栄養補助食品)」に分類されるものを対象としています。「病気を治す」「症状を改善する」といった医薬品的な効能効果の表現は一切行っておりません。栄養素の機能表示は、消費者庁が定めた機能性表示食品制度または栄養機能食品の基準に基づく範囲内でのみ参照しています。

 


📋 監修

松永 敦

大北メディカルクリニック 院長

昭和62年関西医科大学卒業。
大阪大学耳鼻咽喉科にて研修後、東京大学音声言語医学研究施設にて文部教官として喉頭生理学を研究。
その後、大阪大学に戻り音声機能外科を臨床面で進める。

36歳で癌を再発したが、自身で考えたサプリメントなどを用いた食事療法により寛解。

現在は大北メディカルクリニック院長として音声を中心とした地域医療に従事。
国内外の患者は60万人超え。

 

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